さんぽ
おばあちゃんのやってる喫茶店に入った。
可も不可もないよくある味のどこにでもある喫茶店。でもどこにもない喫茶店。
ミルクコーヒーってかいてあるから、ミルクコーヒー下さいって言ったらアイス?って聞かれた。
アイスでお願いしますといったら、そのおばぁちゃんは笑顔で「ハイ。」といった。
店長さんらしきおばぁちゃんに、ミルクコーヒーのアイスねってオーダーを伝えたら、店長おばぁちゃんはそれは、アイスオーレだねと言った。
なんだか、おじぃちゃんや、おばぁちゃんのしゃべる外来語は違和感があっておもしろい。
自分のお家で飼っているのかもう、亡くなっているのかはわからないマルチーズの写真がカウンターに飾ってあった。
暑くて、扇子をパタパタしていたら、冷房を少し強くしてくれた。
土日限定カレーライスというのを見て、すこしおいしそうだなと思った。
一人のおじちゃんが入ってきてテーブル席に座ったら、おひとり様はカウンターでよろしくねって言われてた。カレーをたいらげておじちゃんはサクッと帰って行った。
裏の扉から、アイスねアイス。とおじぃちゃんの配達員さんがやってきた。
店長おばぁちゃんは、「日曜日なのに、ありがとう、あら~ほんとにありがとう。たすかるわぁ」と、おじぃちゃん配達員さんにいった。
おじいちゃん配達員さんは少しだけ得意そうな声で「仕事のついでだよ」と言った。
おじいちゃん配達員さんが帰っていった。
店員おばぁちゃんがいつでも届けてくれてたすかるねぇ、と言ったら店長おばぁちゃんは暇なんじゃないかしらっていってた。
いくつになっても、女の人の方が強いのかな。
また、裏口から元気な声のおじちゃんが入ってきた。
「ごめんなごめんな、アイスコーヒとカレーちょうだい」
関西弁のおじちゃんは長い顔をしてた。
店員おばちゃんがミルクをだしたら、おじちゃんは、わしは砂糖だけでえぇんよ、ごめんね、わがままでごめんね。と言った。
今日も、喫茶店は日常が流れてる。
日常を生きる日々をたんたんと生きる、笑う人たちに出会うと、なんて自分は欲張りなのかなぁと思う。